ポーランド随一の恐怖小説作家、ステファン・グラビンスキ初の邦訳出版。執筆当時は満足に評価されなかった作家が現代に蘇るような本にしようと考えました。 - 本書『動きの悪魔』は、高速で移動する鋼鉄の蒸気機関車に、グラビンスキが非物質的な何かを幻視していたのだと感じました。 カバーには、蒸気機関車の設計図をオーロラ箔で押すことで、そのような非物質的な鋼鉄の塊としての蒸気機関車を表現しました。 また、グラビンスキは、仄暗いトンネルの鉱石の光に宇宙を見出していました。その情景を表現するために、通常よりの高濃度のスミインキを二度刷りし、仄暗く輝く鉱石をイメージした緑色を印刷しました。 〈向こう〉には物理的な目には見えない、人間の貧弱な脳にはわからない新たな世界があると、いつも信じていた―― 「ポーランドのポー」「ポーランドのラヴクラフト」の異名をとる、ポーランド随一の恐怖小説作家が描く、幻視と奇想に満ちた鉄道怪談集。鋼鉄の蒸気機関車が有機的生命を得て疾駆する、本邦初訳14の短篇小説。
Back to Top